東京都立大学 Tokyo Metropolitan Univ.

遮熱コーティングに関する研究

 航空機エンジンや先進型高効率ガスタービンの高温部品には、高温の燃焼ガスから基材を保護するために遮熱コーティング(Thermal Barrier Coating:TBC)が適用されており(図1)、従来以上に優れた耐久性・信頼性が要求されています。
 TBCは、基材の表面に耐酸化性を有する金属コーティングをボンドコートとして施し、この表面に遮熱性に優れるセラミックコーティングをトップコートとして被覆する2層コーティングから構成されます。TBCの性能はコーティングプロセスに強く依存し、代表的なコーティング方法として溶射法が広く利用されています。当研究室では、コーティングプロセスと関連付けてTBCの熱伝導率、線膨張係数、ヤング率などの特性を調べるとともに、元素分布(図2)や原子構造(図3)なども含めた微構造解析、FEMにおる応力解析などを実施し、高性能TBCの開発に取組んでいます。

図1 TBCの適用例(航空機用タービンブレード)

図2 トップコートの元素分析

図3 トップコート原子の格子像