研究室配属を希望する学生へ | About laboratory assignment

はじめに

4年生における特別研究(卒業研究)について

電子情報システム工学科の4年生は4月より研究室に配属され特別研究(卒業研究)を取り組みます.このページでは,特別研究の研究室配属に向けて,波動情報工学研究室(大久保研究室)の紹介を行います.

波動情報工学研究室(Wave Informatics Lab.)について

『波動情報工学研究室』は,大久保准教授が運営する通信システム領域の研究室です.音波(音場),電磁波(電磁界),弾性波(地震波)を研究ターゲットとして,計測・信号処理,データ解析,シミュレーションによるアプローチを駆使して研究をしています.高性能コンピューティングと先進インテリジェンス計測が研究を支えています.

大学院進学について

大学院にも,ぜひ進んでほしいと思っています.研究室に配属された多くの学生は大学院に進学しています.大学院の研究室生活は学部のそれとは密度が違いますので,進学すれば有意義が期間を過ごせる可能性が高いと思います.

研究テーマと応用分野について

私たちの世界は多くの波動現象であふれています.例えば,私たちが普段から聞いている『音』や携帯電話になどに代表される『電磁波』や大地を揺らす『地震波』,地震によって引き起こされる『津波』も波動,すなわち『波』です.それらの波動現象を対象にして基礎から応用まで研究しています.応用として,防災工学,音響工学,通信工学などの関連分野へ展開します.

研究のキーワードについて

■音場・電磁界の大規模数値シミュレーション
■波動情報センシング
■機械学習とディジタル信号処理
■自然現象の監視システムに関する研究
■超高解像計測と可聴音域外の信号解析
■超並列計算に関する研究
■音響放射力の応用
■超音波による微小物体浮遊制御
■聴覚メカニズム・方向定位と音像の認知

参考情報

研究室の紹介動画

研究成果の紹介動画(深層学習(DNN)と緊急地震超速報)

電子情報システム工学科の紹介動画(無響室の紹介があります)

Q&A集(研究室関連一般Q&Aから抜粋したものを含む)

Q. 実際の研究室をみることはできますか.

本年度は,オンラインでの研究室紹介が基本ですが,希望者がいれば個別に研究室を案内しますので,メールにて連絡してください.

Q. 研究室はどこにあるのですか.

当研究室では,東京都立大学の日野キャンパス5号館にあります.これらの研究棟は2015年に完成した最新の設備です.

Q. 波動情報工学研究室って大久保研究室と違うのですか.

同じものです.研究室名を分野名で呼べば,「波動情報工学研究室」ですし,通称として指導教員の名前を用いて単に「大久保研究室」と呼ぶこともあります.

Q. コアタイム(研究室にマストでいる必要がある時間)はありますか.

あります.現在は11:00-16:30をコアタイムとしています.だいたい,講義時間の2限から4限にあたる感じでしょうか.しかし,多くの学生は,それよりも前に来て研究室にいるか,コアタイムよりも遅くまで研究室活動をしています.やはり,研究室に来てくれないと,ディスカッションも出来ませんし,研究の方向性を修正することもできません.もちろん,結果を出せる論拠があれば,研究室にいなくとも良いよ,と認めるケースもありますが,原則は明るいうちに研究室にきて各自の研究・勉強を行うことになります.

Q. パソコンは借りれますか.

借りる,という表現は難しいですが,研究室では学生一人ひとりにパソコンは1台以上を支給しています.研究するとなると計算の規模が大きかったり,扱うデータが膨大だったりするので,基本的にはデスクトップPCを利用しています.当研究室の特徴としては指導教員の趣味のせいもあり,ほとんどの学生がデュアルモニタか4Kモニタなど,作業効率を考えて大きな画面で作業をしています.やはりせっかく大学に来ているのですから,家にある一般的なパソコンよりも性能がいいのもで研究をしてほしいと思っています.
一方,学生の研究テーマによってはノートPCやタブレットPCが必要になることもあり,その場合は個別に提供しています.それと,研究が本格的に進んでくると,超大規模データを扱うようになるので,その場合は,メモリを1TBクラスとか搭載している研究室の計算サーバを利用したり,さらに大きな計算には,外部の数100TBのメモリを有するような大型スーパーコンピュータを利用して研究を行います.
並列計算・メニーコア計算も研究テーマに密接に関係していますので,GPUもかなり潤沢に研究室にあります.ですので,研究室に計算機・パソコンが人数に対して足りないということはまずありません.

Q. 誰もやっていない研究がしたいのですが,大久保研ではできますか.

もちろん,できます.しかし,研究とはそもそも誰もやっていないことにチャレンジすることですので,一般には,どの研究室でも今まで誰もやっていない研究をやっているものです.すでにあるものを単にやり直すだけでは新しい知見は得られず,それは研究とは呼べません.逆に『うちの研究室では,誰もやっていない研究ができます』という謳い文句であれば,そんなのは当たり前ということになります.

Q. 大久保研に行くと,どんな会社に就職できますか.

これは,色々です.ソフトウェア会社に就職する人もいますし,ソーシャル系の会社,電気系・医療系メーカに就職する人もいます.取得する学位にもよりますが,学士(学部生)や修士(博士前期課程)では,所属した研究室の内容と就職先がぴったり一致することが稀です.そもそも,研究室に関係のある会社に入ったからといって,その関連部門に配属されるかは別問題ですし.ということで,どんな就職先になるかは,所属する研究室よりも学生一人ひとりによるものが大きなウエイトを占めることになると思っています.
しかし,研究室で行った研究活動というプロセスは,どこに行っても同様のことですので,しっかり取り組めば大いに自分の身になりますし,希望の就職にもつながるものと思います.

Q. 卒業論文・修士論文のテーマはどのようにして決めますか.

基本的には,学生と教員で相談しながら決めていきます.
もう初めから具体的に「こんなテーマがやりたい」という学生もいますし,漠然としているだけで,あまりしっかり決まっていない学生もいます.特に学部4年生の卒論テーマを決める時期に明確なビジョンを示せる人はなかなか多くないですから,そのときは指導教員のほうから,いくつかテーマ案を示すこともあります.修士の学生については,より学生の主体性が強く出てくることになります.博士の学生については,アドバイスはしますが,基本的にはお任せで,波動情報工学研究室という環境の中で,自分で選ぶ研究を心ゆくまで取り組んでほしいと思います.