構体系



構体系(Structure,STR)とは,その名の通り人工衛星の構体,ボディーの構造設計を担当します.では【強さ】,【重さ】,【配置】この3つのキーワードで衛星の構体系を見てみましょう.


【強さ】

人人工衛星はロケットによって宇宙へと運ばれます.打ち上げ時に人工衛星に掛かる振動は大変強く,衛星構体はそれに耐え得る強さを持っていなければなりません.有限要素法解析ソフトを用いて構造解析を行い,実際に振動試験を行うことで,設計を確認,検討し改良を重ねています.


振動試験ANSYS解析


【重さ】

ただ強いだけでもいけません.宇宙へと運ぶものには重量制限がシビアに掛かっているので,十分な強さを持った軽い構体が要求されます.そこで構体そのものを軽くするために,アルミハニカムパネルを使用しています.ハニカム(honeycomb)とは蜂の巣という意味であり,その名の通り正六角形または正六角柱を隙間なく並べた構造のことを言います.強度はあまり損なわずに必要な材料を減らすことができるので,軽量化に効果的な構造です.



【配置】

衛星構体の内部や外部には多くの機器が設置されます.まず,その人工衛星のミッションに関する機器が優先的に,最適な位置に配置され,その他の機器もそれぞれ配置することになりますが,姿勢制御などの理由で重心位置を構体の中心に持ってくる必要があります.また,発熱するものや温度にシビアな機器の配置も重要です.




この3つに加え,展開機構の開発も行っています.


【展開機構】

ミッションに必要な電力を確保するために,太陽電池パネルの展開機構を採用しています.ロケットでの打ち上げ時にはパドルを構体側面に収納し,打ち上げ後に開放します.パドルの展開に失敗すると,必要な電力をまかなうことができないため,今後も繰り返し展開機構の試験と改良を行っていく予定です.


展開機構