金融・科学・工学を融合する高性能計算基盤
(超並列化が拓く他分野融合計算科学の新描像;超並列計算による計算科学の新展開の検索)

 本事業は,首都大学東京ミニ研究環の課題として採択された研究プログラムです.超並列化・高性能計算(HPC)を軸に複数の研究科の連携による多分野を融合する研究環を目指しています.
 近年の計算機技術の発展に伴い,情報学分野・経営金融分野・理工学分野など様々な研究分野において超大規模数値シミュレーションやビッグデータ解析,マシンラーニングが行われるようになってきています.
 従来,このような極限的に大規模かつ超高速な処理が求められるHigh- Performance Computing (HPC) の分野においてはスーパーコンピュータ(スパコン)や大型のクラスタの使用がほとんどでしたが,最近では,元々はコンシューマー向けに開発が行われていた画像処理専用のプロセッサ(GPU)をより汎用性のある数値演算に利用するコンセプトGPGPU (General-purpose computation on graphics processing units)やMIC(Many Integrated Core)を用いるメニーコアシステムによる新しい計算科学の流れが形成されようとしています.
 これまで教育改革事業「メニーコア・クラウド基盤技術の実践的教育」と共催したワークショップ「メニーコアシステムにおける格子アプリケーション -GPUとMICの実行性能比較-」は,非常に多くの方から好評を受け, マイナビニュースでは,掲載当初よりランキング圏内を維持しており,そのテーマの重要性を示しています. また,多くのイベントを主催・共催してきており,ワークショップの開催や各種セミナーなどを実施しています.
さらに,本学はGPU最王手ベンダーのNVIDIA社よりGEC(GPU Education Center)に採択されました.

事業の目的

 我が国は,クラウドコンピューティング,グリーンICTやスマートテクノロジーなど,環境負荷の少ない機能的な都市・情報通信基盤を求め,技術開発が進んでいくだろう.そのような情報通信基盤を支える次世代技術が,メニーコア技術に代表される並列処理システムやデータマイニングや機械学習などのクラウドコンピューティング技術である.
 また,グリーンICTやスマートテクノロジーは単なる情報処理の孤立した分野という枠には収まらず,工業デザインやエレクトロニクスや機械工学,金融・経営工学と言った実用的な分野へも広がっている.
 すなわち,これまで計算機資源の問題で不可能であったアプローチが,高性能計算(HPC)技術によって現実のもととなってきていると言えます.本プログラムでは,これでのHPCを基盤として分野を融合していくことを目指している.